営業責任者会議

9日の午後から、 サンレーグループの全国営業責任者会議が行われました。
場所は、GW連休中に改装された本社会議室でした。壁紙もカーペットも新しくなり、気持ちが良いです。16時半からは社長訓話の時間です。訓話に先立ち、営業部門の各種表彰を行いました。感謝の念を込めて、表彰状や金一封を表彰者の方々にお渡ししました。


最初に、営業優績者の表彰をしました



表彰式が終わると、わたしは60分ほどの社長訓話をしました。まず、ブログ「冠婚葬祭の専門家として」で話した内容をもう一度繰り返しました。あのとき不在だったメンバーが多かったこともありますが、すでに聴いている話であっても大事なことは何度も繰り返して聴くことが必要だからです。かの松下幸之助翁も同じ話を何度も社員の前で話したそうです。


営業責任者会議のようす



わたしは、参加者に「冠婚葬祭とは何か?」と問いかけました。
「冠婚+葬祭」として、結婚式と葬儀のことだと思っている人も多いようです。たしかに婚礼と葬礼は人生の二大儀礼ではありますが、「冠婚葬祭」のすべてではありません。「冠婚+葬祭」ではなく、あくまで「冠+婚+葬+祭」なのです。


冠婚葬祭について説明しました



「冠」はもともと元服のことで、現在では、誕生から成人までのさまざまな成長行事をさします。「祭」は先祖の祭祀であり、正月から大晦日までの年中行事です。
そして、「婚」と「葬」があります。結婚式ならびに葬儀の形式は、国により、民族によって、きわめて著しく差異があります。これは世界各国のセレモニーというものが、その国の長年培われた宗教的伝統あるいは民族的慣習といったものが、人々の心の支えともいうべき「民族的よりどころ」となって反映しているからです。


冠婚葬祭は文化の核である!



日本には、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲といった、さまざまな伝統文化があります。そして、それらの伝統文化の根幹にはいずれも「儀式」というものが厳然として存在しています。儀式なくして文化はありえず、ある意味で儀式とは「文化の核」であると言えるでしょう。



わたしは、冠婚葬祭互助会を経営しながら、大学で孔子の思想などを教えています。講義では、特に孔子が説いた「礼」について重点的に説明します。「礼」は儀式すなわち冠婚葬祭の中核をなす思想ですが、平たく言うと「人間尊重」であると思います。そして、「礼」を形にしたものが「儀式」です。孔子は「社会の中で人間がどう幸せに生きるか」ということを追求した聖人ですが、その答えとして儀式の重視がありました。人間は儀式を行うことによって不安定な「こころ」を安定させ、幸せになれるのです。そう、カタチにはチカラがあるのです!


カタチにはチカラがある!



冠婚葬祭のルールは変わりませんが、マナーは時代によって変化していきます。最近、情報機器の世界では「アップデート」という言葉をよく聞きます。アップデートによって新しい機能が追加されたり、不具合が解消されたりするわけです。冠婚葬祭にもアップデートが求められます。基本となるルールが「初期設定」なら、マナーは「アップデート」です。



この「初期設定」と「アップデート」については、 前回の営業責任者会議でも詳しく話しました。わが社には「創業守礼」と「天下布礼」という2つの言葉があります。
この2つの言葉は、わが社の原点であり未来です。48年前、佐久間進会長は万人に太陽の光のように等しく冠婚葬祭のサービスを提供したいと願って、サンレーを創業しました。そして、その根底には「礼」すなわち「人間尊重」の精神がありました。この創業時に掲げた「人間尊重」の精神を忘れないことが「創業守礼」であり、「人間尊重」の精神をあらゆる場所で、あらゆる人々に伝えることが「天下布礼」です。


わが社にとっての「初期設定」と「アップデート」とは?



「創業守礼」とは、わが社にとっての初期設定です。
PCをはじめとする情報機器が誤作動して、うまく機能しなくなったら、初期設定に戻すことが必要です。これは情報機器のみならず、企業においても通用することだと思います。
会社がおかしくなったら創業時の理念を思い起こす必要があります。
また情報機器の世界においては、「アップデート」が不可欠です。アップデートによって新しい機能が追加されたり、不具合が解消されたりするわけです。そして、企業にもアップデートが求められます。わが社の初期設定が「創業守礼」なら、アップデートは「天下布礼」です。 



「初期設定」と「アップデート」は、互助会業界全体においても言えます。
「初期設定」とは、もちろん、互助会の基本理念である「相互扶助」の精神です。「アップデート」とは、前受金の保全や役務保証や解約手数料などの諸問題に対応することでしょう。その意味で、業界団体でいうならば、互助会の原点である保守本流の全互連は「初期設定」、経済産業省などの行政との交渉を担当する全互協は「アップデート」の役割を担っていると言えるかもしれません。


時には、なごやかムードで・・・・・・



また、互助会営業という視点でいうならば、原点としての「初期設定」とはなんといっても“募集”です。そして、「アップデート」とは“施行後フォロー”ではないでしょうか。
さらに、わが社の初期設定は皇産霊神社天道館にあります。
そして、アップデートは隣人館であり、「禮鐘の儀」であり「月への送魂」であると言えます。アメリカで大きな話題となった宇宙葬のルーツもわが社のムーン・ハートピア計画です。今年は「海洋葬」にも本格進出しましたし、さらには今年から樹木葬霊園事業にも進出します。


日本人の他界観に対応した葬儀イノベーションを!



日本人の他界観を大きく分類すると、「山」「海」「月」「星」となりますが、それぞれが「樹木葬」「海洋葬」「月面葬」「宇宙葬」に対応しています。新しい葬儀イノベーションはそれらの他界観を見事にフォローしているわけです。



これまで、冠婚葬祭業は労働集約型産業として見られていました。しかし、知識集約型産業への転換を計っていかなければ葬儀の価値の創造を行っていけません。多様化する顧客のニーズにこたえるためには旧態然とした構造では対処できません。そのため、わが社では知識労働者を育成するために、ISOや1級葬祭ディレクターなどの継続学習を行ってきました。しかし、さらに高品質なサービスの提供のために「思いやり」「感謝」「感動」「癒し」などのポジティブな心の働きが集約された精神集約型産業へ進化しなければならないと考えます。その中の「癒し」を提供するものとして、グリーフケア・サポートは不可欠であり、互助会としても取り組んで行かなければなりません。


最後に、グリーフケアについても触れました



このグリーフケアを中心としたアップデート路線については、6月25日にパシフィコ横浜で開催される「フューネラルビジネスフェア2014」のセミナーで、わたしが講演させていただくことになっています。今日はそのような話をしましたが、みんな、新しくなった会議室に負けないくらい輝いた目をして聴いてくれました。


懇親会で挨拶をする佐久間会長

橋本常務の音頭でカンパイ!



社長訓話後は、サンレー本社から松柏園ホテルに移動して、懇親会が開催されました。
冒頭、佐久間進会長が挨拶し、「昔のウチの営業は凄かった。月に1万口取る猛者もいました。その頃、さかんに『和のこえ』を各営業所でやっていたことを記憶しています」と述べました。それから橋本洋介常務の音頭で乾杯しましたが、常務は「これから、ぜひ毎朝の朝礼で
和のこえ』を行い、大きな成果を残しましょう!」と述べました。



懇親会では、多くの社員がわたしのブログを楽しみにしていると言ってくれました。営業員さんたちも、毎朝必ずチェックしてくれているとか。お客さんとの会話をするときに、「じつはウチの社長が・・・・・」という具合に、話題を提供できるというのです。それを聞くと、夜毎に疲れた体で書く「へっぽこブログ」にも張り合いが出ます。


最後は「和のこえ」で



懇親会の最後は、松田哲男取締役が中締めの挨拶をしました。松田取締役は、「これからも大いに和を以て前進しましょう!」と言い、「和のこえ」で締め括ってくれました。全員で手をつなぎ、「ガンバロー! ガンバロー! ガンバロー!」と3回斉唱しましたが、不思議なパワーが体の底から湧いてきました。やはり、カタチにはチカラがあります! 
いま、冠婚葬祭互助会業界は大きな過渡期にあります。しかし、わたしたちは「人間尊重」をミッションとする礼業の会社として、正々堂々と胸を張って冠婚葬祭互助会の営業を行っていきたいものです。そして、互助会の会員さんが幸せになるためのお手伝いができるように、つねにアップデートを心がけ、アップグレードを目指したいと思います。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年5月9日 佐久間庸和