笑う門には和が来る


今日の「毎日新聞」朝刊に第20回目の「北九州発 ハートフル通信」が掲載されました。
今回のタイトルは「笑う門には和が来る」です。



毎日新聞」4月18日朝刊



この4月、今年も、わが社に多くの新入社員が入社してきました。会社を活性化させるのは若い力ですが、それには上司や先輩のサポートが欠かせません。ベテランとルーキーの力が合わさってこそ、会社の発展があります。



孔子が開いた儒教では「孝」というものを重視しました。「孝」は「老」と「子」という2つの文字から成っています。「老」すなわち先輩・年長者と、「子」すなわち後輩・年少者とが断絶することなく、連続して1つに結ぶという意味です。企業繁栄のためには「継続」と「革新」の両方が必要であると唱えたドラッカーの考え方とも一致します。



それでは、ベテランとルーキーが心を通わせ、「孝」を実現させるにはどうすればよいか。そのキーワードは、ずばり「和」でしょう。 
「和」というコンセプトを最初に打ち出したのも、じつは孔子です。『論語』には、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」のルーツになった言葉が登場します。日本を「大和」と呼ぶように、「和」は日本人にとって最も大切なものとされます。



3月9日、宇宙飛行士の若田光一さんが、国際宇宙ステーション(ISS)の新船長に就任。日本人としては初の快挙です。記者会見の場で、若田さんは「和の心を持って舵取りをしたい。チーム全員でいい仕事をできるように頑張っていきたい」と意気込みを述べました。



記者会見では、日本人記者から「船長の特権で何かしたいことはありますか?例えば、食事のメニューを決定するとか、ベッドを大きくするとか?」といったユニークな質問が飛び出しました。それを聞いて一瞬きょとんとした表情をした若田さんは、次の瞬間、大笑いしました。まさに破顔一笑でしたが、それから「食事のメニューを決められたらいいですけど、残念ながら、そんな権限はないんですよ」とニコニコしながら答えていた。



その笑い方の豪快なこと! また、その笑顔の魅力的なこと!
わたしは一発で、若田さんの大ファンになりました。
そして、その「笑い」と「笑顔」こそが彼の言う「和」の心に通じているのだと気づきました。「笑う門には福来る」という言葉がありますが、「笑う門には和が来る」でもあるのです。そう、「笑い」とは「和来」なのです!



「和」は「わ」と読むが、「なごみ」とも読みます。リーダーにはユーモアが必要です。なぜなら、ユーモアは組織の雰囲気を和ませるからです。笑いと笑顔こそが職場の「和」を生む。ということで、わたしもユーモアを発揮できる人間でありたいと思います。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年4月18日 佐久間庸和