さよなら、ひろせ!

ブログ「一木会」で紹介した焼酎を飲む地元財界人の会があります。毎月、第1木曜日に門司港の老舗料亭「ひろせ」に集まって開かれます。その「ひろせ」さんがこの3月いっばいで閉店されることになりました。6日の夜、ひろせでの最後の「一木会」が開かれました。
じつに今回で第166回目でした。33名もの多くの方々が集まり、別れを惜しみました。


ひろせを背景に

ひろせの門の前で

伝統を感じさせるひろせの門

門をくぐると、玄関が見えてきます



わたしは、10年ぐらい前から一木会に参加するようになりました。しかし、5年前に小倉南ロータリークラブを退会した頃から、足が遠のいてしまいました。基本的に一木会の参加資格がロータリークラブの会員ということになっていたからです。昨年の7月から小倉ロータリークラブに入会したので、また晴れて一木会に参加させていただくようになりました。


カンパ〜イ!

ひろせの女将さんと



それなのに、「ひろせ」さんが閉店されるとは本当に残念です。
わたしにとって最高の思い出は、ブログ「無月でも楽しむ会」で紹介した、昨年10月29日の夜、「ひろせ」さんで開かれた祝宴です。わたしは、その会の幹事を務めさせていただきました。染織家の築城則子先生の作品である小倉織の袴を着た男性を肴に飲む会です。この日、岡野バルブ製造の岡野正敏会長、ゼンリンプリンテックスの大迫益男会長の両雄が小倉織を着られました。岡野会長の濃いグレイの羽織、大迫会長の淡い紫の羽織・・・・・ともに素敵な色でした。


たくさんのお花が集まりました

この大量の焼酎の瓶を見よ!



「ひろせ」の女将さんは、東京で第二の人生を歩まれるようです。
1人づつ、女将さんにねぎらいのスピーチをすることになりました。
わたしは「長い間、本当にお疲れ様でした。ひろせさんのお料理はいつも大変美味しく、ホテルをやっているわたしにとっても最高に勉強になりました。また、教養のある女将さんからは、おもてなしの精神を学ばせていただきました。製造業はモノが残る仕事で、建設業は地図に残る仕事だと言われますが、サービス業は心に残る仕事です。門司港の名料亭ひろせさんの名は、ここにおられる皆さんの心に永遠に残るのではないかと思います。たくさんの思い出をありがとうございました。女将さん、どうか、いつまでもお元気で!」と言いました。
女将さんは「でも、サービス業には賞味期限があるんですよ」と言われていました。


わたしも女将さんへのスピーチをしました

女将さんに『『慈経 自由訳』を贈りました


また、参加者全員が女将さんにプレゼントを用意していました。わたしは、ムーンギャラリーで求めた癒しのアロマ・セットと最新刊の『慈経 自由訳』(三五館)をプレゼントさせていただきました。「慈経」は、ひろせさんと同じ門司港の地に立つ「世界平和パゴダ」ゆかりのお経であす。その中で繰り返される「幸せであれ」という言葉こそ、わたしから女将さんへのメッセージでした。女将さんは新聞報道などで、この『慈経 自由訳』出版のことをよく御存知だったとのことで大変喜ばれ、「ぜひ、サインをして下さいよ」と言って下さいました。



みなさんからも心温まるスピーチとプレゼントが次々に披露されました。最後は、ブログ「一木会」の代表幹事であり、地元・門司を代表する経済人である岡野会長がスピーチをされました。
岡野会長は「ひろせには生まれたときから通っています。先代の女将さんにはオシメを替えてもらいました」などと言って、満場の笑いをさらっておられました。
でも、ジョークを連発しながらも岡野会長はどことなく寂しそうでした。


前菜が大変美味しかったです

焼豚サラダも美味しかったです

焼魚&だし巻きも美味しかったです

煮物も美味しかったです

御飯と香の物が美味しかったです

最後は、フルーツのデザートでした



それにしても、今夜の料理もすべて美味しかったです。
小料理屋や居酒屋では味わえないような本格的な料亭の味でした。
北九州から、どんどん料亭が消えていき寂しい限りです。
昔は門司港には多くの料亭があり、芸者さんも大勢いたそうです。
海賊とよばれた男」こと出光佐三率いる出光商会をはじめ、さまざまな企業が本社を構え、世界へ羽ばたく拠点として、門司港は非常に賑わっていました。
女将さんは「芸者さんがいなくなった代わりに、わたしが芸者みたいな派手めの着物着て頑張ってきたんですよ」と言われていました。


挨拶で感謝の思いを述べる女将さん

ひろせ、バンザ〜イ!!



そして、ついに女将さんの挨拶の時間となりました。
女将さんは「こういうときは絶対に泣くまいと思っていました。でも、悲しいときや苦しいときは泣かなくても、皆様の温かいお言葉をお聞きして、本当に嬉しいときは泣いてもいいのかなと思います。みなさん、わたしを嫁に出すと思われて下さい。わたしは必ず、幸せになります。それが、皆様への御恩返しです。今日は、本当にありがとうございました」と言われました。最初は笑顔でしたが、最後は目に光るものがあり、ハンカチで拭っておられました。その姿を「美しいなあ」と感じるとともに、わたしは「これだけ多くの方々に惜しんでいただける女将さんは幸せな方だなあ」と思いました。同じサービス業の経営者として思うところ大でした。
最後は恒例の「ひろせの歌」をみんなで大合唱し、持っていた焼酎のグラスを飲み干しました。そして、みんなで「ひろせ、バンザイ!!」と何度も何度も叫びました。
みなさんは、いつまでも名料亭の最後を惜しんでいました。



わたしは、「世界平和パゴダ」の支援を通じて、なんとか門司港に昔のような賑わいを取り戻したいと強く思いました。7日の朝、東京に行きます。そして、9日の早朝、成田に向かって、ベトナムに飛ぶ予定です。ホーチミン市は気温が35度ぐらいあるそうなので、体調を崩さないように気をつけたいと思います。今夜も寒いので、風邪を引かないようにしないと。



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2014年3月7日 佐久間庸和