ブランチリーダーの会講演

昨日から扁桃腺が腫れて、喉と頭が痛いです。体調が優れませんが、昨夕は耳鼻科に行って注射を打ってもらいました。そして、25日の16時から北九州商工会議所「第11回ブランチリーダーの会」で講演しました。会場は、松柏園ホテルです。


「第11回ブランチリーダーの会」のようす

「ブランチリーダーの会」で講演しました



「ブランチリーダーの会」は北九州商工会議所加盟企業の中で、北九州市に支社を置く大企業の組織です。メンバーは、いずれも各業界の大手企業の支店長さん、支局長さんです。わたしが所属する小倉ロータリークラブの会員さんも多いです。
これまで、北九州市北橋健治市長、北九州商工会議所の利島広司会頭らが講師を務めれたそうで、わたしに講演依頼のお話があったときは光栄に思いました。


最初に「ハートフル」の意味を述べました



わたしの講演テーマは、「ハートフル・シティで生きる〜北九州から有縁社会を!」でした。
わたしは、まず最初にタイトルに入っている「ハートフル」は、わたしの考え方を集約する言葉です。いま、あちこちで「ハートフル」という言葉を目にしたり、耳にしたりします。じつは、わたしが約27年前に『ハートフルに遊ぶ』(東急エージェンシー)という本を書き、はじめて生み出した言葉です。約10年間の休筆期間を経て、2005年には『ハートフル・ソサエティ』を上梓、06年には「ハートフル・マネジメント」を副題とする『孔子とドラッカー』、07年には「ハートフル・リーダーシップ」を副題とする『龍馬とカエサル』を三五館から上梓しました。同社からは、本名の佐久間庸和として『ハートフル・カンパニー』も刊行されています。


さらに「ハートフル」について語りました



また、「ハートフル・ティーのすすめ」こと『茶をたのしむ』、「ハートフル・フラワーのすすめ」こと『花をたのしむ』、「ハートフル・ライティングのすすめ」こと『灯をたのしむ』、「ハートフル・フレグランスのすすめ」こと『香をたのしむ』を現代書林から上梓しました。さらには、これまで「ハートフル・ライフ」、「ハートフル・シーズン」、「ハートフル・マネジメント」、「ハートフル・マナー」、「ハートフル・エピソード」、「ハートフル・ブックス」、「ハートフル・メッセージ」、「ハートフル通信」のタイトルで、多くの新聞や雑誌に連載コラムを書いてきました。
まさに、「ハートフル」という言葉はわたしの代名詞だと思っています。


ハートフル・シティ北九州

有縁凧」を掲げて「縁」の大切さを訴えました



それから「ハートフル・シティ」としての北九州市について話しました。
北九州市は「思いやり都市」であり、「助け合い都市」であり、「老福都市」であり、「映画都市」であり、「芸術都市」であり、「グルメ都市」であり、「隣人都市」であることを説明しました。わたしは、ブランチ・リーダーのみなさんが縁あって赴任して来られた北九州市の素晴らしさを「これでもか」というほど力いっぱい訴えました。
今日は久々に「有縁凧」を掲げて「縁」の大切さを訴えました。
みなさん、非常に興味を持って下さったようでした。


真の情報社会について述べました



現代は、いわゆる高度情報社会です。IT社会とも呼ばれます。ITとはインフォメーション・テクノロジーの略ですが、重要なのはI(情報)であって、T(技術)ではありません。その情報にしても、技術、つまりコンピューターから出てくるものは過去のものにすぎません。情報社会の本当の主役はまだ現れていません。本当の主役、本当の情報とは何でしょうか。
情報の「情」とは、心の動きに他なりません。本来の情報とは、心の動きを報せることなのです。だから、真の情報社会とは、心の社会なのです。そこで「ハートフル」が出てきます。



「ハートフル」とは、思いやり、感謝、感動、癒し・・・・・あらゆる良い心の働きを表現する言葉です。それは仏教の「慈悲」、儒教の「仁」、キリスト教の「隣人愛」などにも通じます。
それは自らの心にあふれ、かつ、他人にも与えることのできるものなのです。



それから、孔子ドラッカーの共通点を簡単に紹介しました。
そこから「礼」というコンセプトを中心に、時代のキーワードである「おもてなし」について語り、さらには小笠原流礼法、江戸しぐさ、おもてなし、挨拶、お辞儀、愛語といった「人間関係を良くする魔法」の数々を紹介しました。


北九州市の未来について熱く語る



そして、そこから北九州市の未来についてお話ししました。
ブログ「心の環境モデル都市」で紹介したように、今月3日、国は2010年度の「環境モデル都市」の取り組状況に対する評価結果を発表しました。
全部で13ある「環境モデル都市」を5段階評価した5指標についてスコアを算出したところ、北九州市が平均値で最も高い得点となったそうです。
北九州市は、日本一の「環境モデル都市」というわけです。かつては「公害の街」として知られ、1960年代には北九州の大気汚染は国内最悪を記録しました。なんと「国内最悪の大気汚染」から「日本一の環境モデル都市」へ変身したのです。これは、「禍を転じて福となす」ということに他なりません。最悪の状況を迎えたからこそ、そこに強い危機感が芽生え、どこよりも前向きな「環境」への取り組みが可能になったのでしょう。


みなさん、熱心に聴いて下さいました



わたしは、北九州市はもう一度、この「禍を転じて福となす」を実現すべきと考えます。
いま、全国の人々に「北九州市のイメージは?」と聞くと、必ず返ってくる言葉が2つあります。ずばり、「暴力団」と「孤独死」です。かつての「公害」に代わるネガティブ・キーワードであると言えるでしょう。しかし、末吉興一前市長が見事に環境モデル都市へと変身させたように、また現職の北橋健治市長が日本最大の暴力追放運動を成功させたように、残る「孤独死」の問題も必ず解決できると信じています。


「こころの環境モデル都市」へ!



現在、北九州市では「隣人愛の実践者」こと奥田知志氏が理事長を務められるNPO法人北九州ホームレス支援機構の大活躍で、日本で最もホームレスの人々や生活保護受給者の支援が盛んな街となっています。素晴らしいことだと思います。
詳しくは、ブログ「隣人の時代へ」ブログ「脱生活保護へ・・・」などをお読み下さい。
また、わが社もサポートをさせていただいている「隣人祭り」の開催は年間で500回を超え、日本で最も隣人祭りが盛んな街にもなっています。日本一の「環境モデル都市」となった北九州市は、これから「こころの環境モデル都市」をめざすべきだと思います。暴力のない街、孤独死のない街、そして思いやりにあふれた「助け合い」の街にしたいです。



ブログ「北九州へ!」にも書きましたが、東日本大震災で被災された東北の方々がたくさん北九州に来られました。わたしは、被災者の方々のみならず、日本中の高齢者の方々にも北九州市に来ていただきたいです。
現在、全国には500万人以上もの独居老人が分散しています。
それらの方々の中には、孤独死をする危険性が高い方も多いです。
そういった方々に北九州に参集していただき、余生を過ごしていただきたいのです。
高齢化先進都市である北九州市は、高齢者が多いことを「強み」として、日本一、高齢者が安心して楽しく生活できる街づくりを目指すべきだと思います。


高齢者問題についての発言は、特に反響がありました



そこで、大事なポイントは「孤独死をしない」ということです。
そのための受け皿として、わが社は「隣人館」をどんどん作っていきます。
その他にも、隣人祭りをはじめとした多種多様なノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。そうなれば、「北九州にさえ行けば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」というふうになるのではないでしょうか。
全国の独居老人には、どんどん北九州に移住していただきたいと真剣に願っています。


「高齢者福祉特区」構想を披露しました



もともと、わたしは北九州市を「高齢者福祉特区」にするべきだと訴えてきました。
そして「人は老いるほど豊かになる」というコンセプトに基づく「老福都市」をイメージし、そのモデルとして高齢者複合施設である「サンレーグランドホテル」を北九州市の八幡西区に作りました。いわゆるセレモニーホールと高齢者用のカルチャーセンターなどが合体した前代未聞の施設として大きな話題になりました。


満員で立ち見も出ました



近代工業社会はひたすら「若さ」と「生」を謳歌し、讃美してきました。
しかし、高齢化社会では「老い」と「死」を直視して、前向きにとらえていかなければなりません。今こそ幸福な「老い」と「死」のデザインが求められているのだと考えています。
日本は世界でもっとも高齢化が進行している国ですが、その中でも北九州市はもっとも高齢化が進行している政令指定都市です。つまり人口100万人以上の都市でいえば、北九州市は世界一の超高齢化都市であるといえます。その多くの高齢者が生活する北九州市において「老い」が不幸だとしたらどうなるでしょうか?
北九州市は不幸な人間がもっとも多くいる世界一不幸な街になります。
しかし逆に、「老い」が幸福だとしたら、世界一幸福な街になるのです。


人は老いるほど豊かになる!



世界一幸福な街と世界一不幸な街。まさに、天国か地獄かです。
老い」のとらえかたひとつでこんなにも変わるのです。
それなら、わたしたちは天国を選ぶしか道はありません。
ですから、「老い」と「死」に価値を置く施設であるサンレーグランドホテル北九州市に誕生したことは多くの方々から評価されました。なぜなら、高齢化が進む日本の諸都市、世界各国の都市にとって北九州市とは自らの未来の姿そのものだからです。
こういった考え方そのものが、ドラッカーの「強みを生かす」という思想をベースにしていていることがおわかりいただけるかと思います。


北九州市は「社会福祉都市」である!

ノンストップで90分しゃべり抜く!



わたしは、北九州市は「老福都市」を、「助け合い都市」を、そして「隣人都市」を目指すべきだと確信します。平たく言えば、それは「社会福祉都市」ということになるかもしれません。
そんな都市が日本にできるなんて素敵じゃないですか!
また、ここは非常に大事なポイントなのですが、震災の被災者の方々には地震が起こる危険性が低いことも北九州の大きな魅力の1つだと思います。
地震が起きると最も困る施設とは何でしょうか。
今でこそ原発が代表格ですが、昔は製鉄所でした。
なぜなら、製鉄所内には燃えさかる溶鉱炉があり、それが地震で倒壊したりすると大惨事になるからです。1901年に官営の製鉄所を日本に初めて建造するとき、大日本帝国は「最も地震が起きにくい場所」を徹底的に調査しました。その結果、選ばれた場所こそ北九州の八幡だったのです。すなわち、八幡製鉄所は災害に対する「安心」のシンボルなのです。
ぜひ、地震が怖いと思う方は安心して北九州に来られて下さい。また、独居老人でも、どんな方でも、日本のどこかで困っておられる方、これからの人生に不安を抱いている方がおられたら、ぜひ北九州へ来ていただきたいです。わたしたちが心より歓迎いたします


世界平和パゴダ」について説明しました

慈経 自由訳』を紹介しました



わが社は、「人間尊重」をミッションとして、さまざまな事業や活動に取り組んでいます。
これまで、「社会に良いことをしても儲からない」と言われていました。
しかし、これからは「社会に良いことをしないと儲からない」時代だと思います。
北九州市には、社会に良いことをしている企業がたくさんあります。
また、高齢者や被災者の方々を支える「思いやり」のある人々がたくさんいます。
北九州市は、きっと日本一の「思いやり都市」になれると思います。
「思いやり」のシンボルとしての「世界平和パゴダ」について説明しました。
そして、最後に最新刊の『慈経 自由訳』(三五館)を紹介しました。
以上のような話をさせていただきましたが、最後に盛大な拍手を戴き、感激しました。


講演会の後は懇親会が開催されました

カンパイ!

さまざまな方々とお話しました

北九州商工会議所の北野氏と

講演の感想をお聴きしました

参加者のみなさんと記念撮影しました



わたしは、日本を代表する企業のブランチリーダーの方々の前で愛する故郷の素晴らしさについて話すことができて感無量でした。今ここに一緒の時間と空間を共有している方々との御縁を強く感じました。今日も寒い日でしたが、わたしの胸は熱くなりました。わたしの話を聴いて下さったみなさん、そして関係者のみなさん、本当にありがとうございました。
なお、講演会終了後は懇親会が開催され、参加者のみなさまと交流させていただきました。



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2014年2月25日 佐久間庸和