鎌田東二(2)


歌は「天啓」である                                                




言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、鎌田東二氏の言葉です。鎌田氏は日本を代表する宗教哲学者であり、京都大学こころの未来研究センター教授、NPO法人東京自由大学理事長です。わたしは、大変親しくお付き合いさせていただいています。鎌田氏は宗教哲学民俗学、日本思想史、比較文明学などを幅広く研究されるかたわら、石笛・横笛、法螺貝を奏することで有名ですが、自称「神道ソングライター」という稀代の歌い手でもあります。


(020)歌と宗教 (ポプラ新書)

(020)歌と宗教 (ポプラ新書)

15年で作詞作曲された270曲に及ぶ「神道ソング」は、畏るべきことに3分で出来てしまうそうです。ちなみに、わが社の社歌である「永遠からの贈り物」も、渋谷から大宮までの電車の車中で作られたそうです。その神ワザのような速度について、鎌田氏はブログ『歌と宗教』で紹介した最新刊の著書の中で「わたしの曲はもうすでにどこかにあるもので、それをダウンロードするような形で自分の中に引っ張りこんでくるだけだからだ。」と語っています。


神道ソングを歌う著者



鎌田氏は紀貫之が記した古今和歌集の仮名序やピタゴラスの天球の音楽などを引用しながら、歌の力が及ぶものは、人間の目に見える、可視的な空間だけではないと喝破。森羅万象とは霊的な、隠神(いみのかみ)の住む世界でもあり、可視界と不可視界の両方を含む全体であり、歌はそういう目に見えない隠の霊的存在をも感動させる力を持っていると述べます。



そして、鎌田氏は歌の本質について次のように解明しています。
「歌は『天啓』である。天から降ってくる律動であり、それとうまく通じ合い、それをうまく受信できる状態にどうやって自分を置くことができるかが重要になる。」
うまいヘタのレベルではなく、いのちあるものとして応答しなくてはならないという思いが「神道ソング」の世界なのだそうです。歌は、宗教や人種や民族を超越したものであるがゆえに、鎌田氏は平成の世直しを「神道ソングライター」として実践されているのです。


「礼楽」を実現する(?)ムーンサルト・カラオケ♪



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年2月20日 佐久間庸和