PASSION
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、現代日本を代表する経営者である稲盛和夫氏の言葉です。
稲盛氏は、企業経営者としての要諦を「経営の原点十二カ条」、「六つの精進」という箇条形式でまとめ、書籍や講演などで繰り返し語られています。どのような優れた教えでも漫然とした文章では覚えることが難しいものです。「十二カ条」「六つの」といった具体的な数字表現によって、稲盛氏は重要なポイントを社員や関係者に伝達する工夫をされています。
- 作者: 稲盛和夫
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/01/01
- メディア: 文庫
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PASSION(成功への情熱)とは、一見、何の変哲もない英単語です。
しかし、このアルファベット七文字は、経営の要諦を表す英語の頭文字で構成され、「情熱」を意味する「PASSION」という成語となっているのです。それぞれの頭文字は、次の七カ条となります。
●PROFIT(利益)
売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える。
利益を追うのではない。利益は後からついてくる。
●AMBITION(願望)
潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つ。
●SINCERIRTY(誠実さ)
商いの相手の身になって行動する。
●STRENGTH(真の強さ)
強さとは勇気である。決して卑怯な振る舞いがあってはならない。
●INNOVATION(創意工夫)
昨日より今日、今日よりは明日と、自分の創造性を発揮して、常に改良改善を続ける。
●OPTIMISM(積極思考)
常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で。
●NEVER GIVE UP(決してあきらめない)
誰にも負けない努力をする。
地味な仕事でも、一歩一歩堅実に、努力を怠らずにやり遂げる。
京セラが初めて米国の有力な電子部品メーカーを買収した際、稲盛氏はご自身の著書『心を高める、経営を伸ばす』を英訳し、当該企業の役職者への勉強会を実施されたそうです。
稲盛氏はその時の心境を次のように語っておられます。
「私は人間の本質は洋の東西を問わず同じであり、京セラの経営哲学も普遍的なはずである。だから、こちらが純粋な気持ちで、誠意を持って話をすれば必ず受け入れてもらえる。そう信じて、私はこの勉強会に臨んだ」
「PASSION」という単語に稲盛実学の要諦が凝縮されていることには驚くばかりです。
しかし、こうした独創的な発想も、決して奇をてらったものではありません。稲盛氏の表現を借りれば「ど真剣に生きる」、その愚直なまでの生き方から生まれたものなのでしょう。
わが社には「S2M」という経営理念がありますが、8つの理念すべてが「S」TO(2)「M」という韻を踏んでいます。経営の方向性を全社員が共有するには、経営者の情熱が込められた「キーワード」が必要です。わたし自身も如何に表現したら「メッセージ」がよりよく伝わるかを熟慮しながら、絶えず「言葉」や「表現」を創造したいと思っています。
最後に、「PASSION]といえば、11月9日に放映された日本テレビ放送網・FBSの「PASSION〜情熱人」という番組に取り上げられました。さまざまな企業の経営者にスポットを当て、「経営の理念」「地域との交流」など、情熱を持った「企業と人」を紹介する内容です。提供はSMBC日興証券さんで、CMにはイチローが登場。
わたしも「PASSION」のある経営者をめざして、頑張ります!
*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。
2014年1月11日 佐久間庸和拝