隣人館訪問

今日は「現場回りの日」ということで、福岡県飯塚市を訪れました。
行き先は、もちろん、同市にある有料老人ホーム「隣人館」です。
わが社は、昨年から高齢者介護事業に進出しました。その最初の施設が隣人館です。


隣人館の末館長と



現在、日本の高齢者住宅は、さまざまな問題を抱えています。
民間施設の場合、大規模で豪華なものが多いですね。
数千万円単位の高額な一時金など、金銭的余裕のある人しか入居できていません。
また、公的施設の場合、比較的安価で金銭的余裕のない人でも入居はできます。
しかし、待機者が多くて入居するまでに相当な年数がかかるなどの問題があります。
さらに、高齢者はそれまで暮していた愛着のある地域を離れたがらない傾向があり、地域に根ざした施設が必要とされているのです。


日本経済新聞」2013年9月16日朝刊



わが社の隣人館は、現代日本の高齢者問題を解決する大きな鍵を握っています。
まさに、究極の地域密着型小規模ローコストによる高齢者専用賃貸住宅なのです。
隣人館」に到着すると、末館長と西村施設長が笑顔で迎えてくれました。
末館長は、長く松柏園ホテルの総支配人を務めた「ホスピタリティの達人」です。
館長に就任してすでに半年が経過していますが、「ホテルの仕事と比べても、これほど、やりがいのある仕事はありません。もちろん気が抜けない真剣な職場ですが、本当に素晴らしい仕事です」と述べていましたが、その言葉を聞いて、わたしもとても嬉しかったです。
また、西村施設長は高齢者介護業一筋のプロフェッショナルです。
この2人がいてくれたら、隣人館も安心です。ありがたいことです。


クリスマスのディスプレイがきれい!

みなさんとお会いできて嬉しいです



最初に、食堂で末館長、西村施設長とミーティングをしました。
わたしは隣人館の現状と問題点、今後の展望などについて聞きながら、わが社の高齢者介護事業についてのビジョンについて詳しく説明しました。
その後、きれいなクリスマスのディスプレイが施されたデイ・サービス・ルームへと入って行きました。部屋には数人のお年寄りがいらっしゃいました。
わたしは、「失礼します。みなさん、こんにちは!」と挨拶しました。
末館長が「みなさん、うちの社長をご紹介します」と言ってくれました。
「それはそれは、お世話になります」と挨拶して下さる男性や、「あら、あなた、新聞に出てた人でしょう!」と声をかけて下さる女性もおられて、大いに会話の花が咲きました。
昔、北九州市八幡の引野に住んでおられたという男性の思い出話もお聞きしました。
わたしは、お土産のお菓子(オムレット・ケーキ)と箱入りのミカンをお渡しして、みなさんとお別れしました。みなさんと親しくお話しできて、すごく嬉しかったです。
(*写真撮影については、すべて御本人の了解を得ております)


クリスマス掲示

「隣人館瓦版」と庸軒道歌



隣人館のロビーにはクリスマス掲示板も飾られていました。
また、「隣人館瓦版」という新聞、それにわたしが詠んだ短歌の短冊も飾られていました。
ブログ「隣人館の竣工式」で紹介した「この地より新たな一歩踏み出さん 天下布礼の介護の道を」という道歌です。わたしは、その道歌を眺めながら、「けっして、この施設を作ったときの初心を忘れないぞ」と心に誓いました。


日経産業新聞」2013年7月26日



隣人館は、全国の高齢者介護施設からも熱い注目を浴びています。
日経産業新聞」2013年7月26日号に「老いても楽しい『我が家』」のタイトルで大きく紹介されました。西村施設長の顔写真も出ています。
記事には、「入居者に快適に過ごしてもらうため、冠婚葬祭業で培った食事などのノウハウを介護の現場へ導入。『豊かな老いを追求する』(佐久間庸和社長)ための取り組みを進めている」と書かれています。また、全室個室でありながら、入居者同士が「隣人」として交流する機会を積極的に設けることで寂しさや孤独感を感じないようにすることが紹介されています。


各種イベントの紹介

敬老会や長寿祝も行っています!



さらに、記事では隣人館の新しい取り組みが以下のように紹介されています。
サンレーの本業である冠婚葬祭業のノウハウを取り入れた毎月1〜2回のイベントの開催も特徴。グループ内のホテルからシェフを招いたランチバイキングのほか、地元の歌手がボランティアで参加する歌謡ショーなど工夫を凝らしている。西村施設長は『普段は外出する機会も少ないことからイベントは盛り上がる』と話す。快適な生活のためには医療面の体制の整備も欠かせない。地元の病院の協力を受け、月2回の往診を実施しているほか、緊急時には夜間でも看護師と連絡とれる体制を整えている。状態によっては医師が駆けつけられるようにもしており、容体の急変などにも対応できるという。サンレーが本社を置く北九州市や隣人館のある筑豊地区などは全国に先駆けて高齢化が進んでおり、介護施設のニーズは今後高まることが予想される。サンレーは今後、北九州市などを中心に有料老人ホームなどの新設を進めていく計画だ」



トータルで7万8000円という費用の安さが以前はよく報道されていましたが、最近ではソフト面での取り組みに注目が集まってきました。嬉しく思っています。
世間の注目度は高まる一方ですが、わたしは、隣人館こそは「老人漂流社会」を解決する「終の棲家」であると思っています。そして、それを広く展開することは真の意味での日本人の「住のインフラ」整備につながるものと確信しています。
わたしは、この事業は「人は老いるほど豊かになる」という長年を考えを実現するものであり、人間尊重を実行するという意味で「天下布礼」の一環であると思っています。


飯塚紫雲閣の前で

直方紫雲閣の前で



隣人館を後にしたわたしは、飯塚紫雲閣および直方紫雲閣を訪れました。
たまに抜き打ちで現場に行くと社員のみなさんはとても驚きますが、社長としての気づきが多く得られます。これからも、バンバン現場に足を運びたいと思います。


「日本で二番目においしい店」の前で



直方といえば、飯塚に向かう途中で昼食に「新生ドライブイン」という食堂に寄ったのですが、ここの看板には「日本で二番目においしい店」と書かれていました。(笑)
わたしは「ああ、こういう表現、昔はよくあったよなあ。昭和の時代を思い出してなつかしいなあ」と思いながら、迷わずに入店。ゴボ天うどん、おでん(大根、コンニャク)を注文したのですが、予想に反して(失礼!)美味しかったです。同行したサンレー秘書課の鳥丸耕一課長も同じものを注文。鳥丸課長はオデンが大好物だそうで、嬉しそうに食べていました。彼のオデンは、大根とガンモでした。その目を細めて食べる姿があまりにも幸せそうだったので、わたしは「なんだか、『おそ松くん』のチビ太みたいだなあ」と思ってしまいました。(笑)



食べ終わって勘定を払うとき、レジの女将さんとおぼしき女性に向かって、「いやあ、おいしかったですよ。さすが、日本で二番目においしい店ですね。ところで、一番目はどこですか?」と訊ねました。すると、「それは、奥様の手料理です!」と即座に返答。
あいやー、これは、一本取られた! また、いつか、あの店に寄りたいです。
そして今度は、ほとんどのお客さんが注文していたチャンポンを食べたいですね。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年12月17日 佐久間庸和