「サンデー毎日」に禮鐘が紹介されました

ブログ「霧ヶ丘紫雲閣竣工式」で紹介したように、わが社は9月8日に新しいセレモニーホールをオープンしました。そこでは出棺の際にクラクションを鳴らさず、代わりに「禮鐘(れいしょう)」を鳴らしています。「禮鐘の儀」として新時代の儀式文化を提案しているわけですが、それが「サンデー毎日」最新号(11月10日号)で取り上げられました。
ブログ「『サンデー毎日』書評」で紹介したように、先週号の表紙はキムタクでした。
今週号は、関ジャニ ∞のメンバーである錦戸亮クンが表紙です。またしても肖像権管理に厳しいジャニーズ事務所のタレントなので、表紙の写真はお見せできません。(苦笑)


「サンデー毎日」11月10日号



記事のタイトルは「感謝、祈り、癒やし」を込めて 野辺の送りに鳴り響く鐘の音」。
そして記事の内容は、以下の通りです。
「『ブォーーーーーーン』。霊柩車が出るのに合わせてクラクションが高らかに鳴る。参列者は合掌し、音が消こえなくなり霊柩車が見えなくなるまで頭を垂れる。葬式では定番となっている野辺の送りの風景だ。しかし今度、北九州市小倉北区にオープンした葬祭会館、霧ヶ丘紫雲閣ではクラクションに代わり鐘を鳴らし、話題となっている。
発案者は、会館の運営会社サンレー佐久間庸和社長(50)。同社は1978(昭和53)年、北九州市に日本初の都市型葬祭会館を建てた。最近では家での葬儀が減って葬祭会館などで行うケースが増えたのに伴い、都市部に建つ施設が多くなったが、同時に周辺住民がクラクションの音を迷惑がる例も目立ってきた。今回、開館した霧ケ丘紫雲閣の前には道路を挟んで高級住宅街が広がる。『地域のみなさんに愛される会館に』と佐久間社長が決めた」


これが禮鐘です



また、以下のように禮鐘についても詳しく説明されています。
「鐘は直径48センチ、厚さ10センチ弱。仏堂前で参拝者が鳴らす鰐口と呼ばれるもので、会館正面に建つ鐘楼につり下げられた。鐘の音はクラクションに比べて低く、響きが少ない。出棺前に司会者から『この鐘は故人からの“感謝、祈り、癒やし”の三つの礼を込めたものです』と案内があり、最初の鐘で霊柩車が発車。『出棺でございます』のアナウンスに続いて2、3度目がたたかれる。佐久間社長によると、クラクションにはいわれがなく、かつて野辺の送りの時に鳴らされたカネの代わりに使われた慣習という」


鎌田東二教授のコメントつき!



週刊誌の常識として、このような新文化の紹介記事には必ず識者のコメントが添えられますが、今回はなんと次の方がコメントを寄せて下さっています。
宗教哲学者で、京都大学こころの未来研究センターの鎌田東二教授は『葬儀にせよ、結婚式にせよ、時代の要請でスタイルは変わってきている。大事なことは死者を送る人たちの心がなぐさめられること。私もクラクションは気になっていた。神社仏閣の鐘を知っている人たちにとっては、鐘の響きは違和感がないのでは』と評価する」
まさか、鎌田先生が「禮鐘」のコメンテーターとして評価して下さるとは!
わたしの心は、嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
宗教儀礼研究の第一人者である鎌田先生からのお墨付きを頂ければ百人力です。
鎌田先生、本当にありがとうございました。


人生の卒業式にふさわしい「送りかた」を・・・



そして、記事の最後は次のように書かれていました。
「九州・沖縄・石川で55の紫雲閣を経営する佐久間社長。『葬式はいわば人生の卒業式。鐘の音は出港するドラの音にも似て、故人があちらの世界へ旅立つのには、ふさわしいのではないか』と語り、『半年以内に全ての紫雲閣に鐘を設置する』と約束した」
わが社だけでなく、今後は全国的にクラクションの音が葬儀の場から消えることを望みます。
儀式とは、時代に応じて柔軟に変化して構いません。もちろん、「変えてはならない」部分と「変えてもよい」部分がありますが、出棺時のクラクションは鐘に変えるべきです。



最も大事なことは、故人を送り出すという心であることは言うまでもありません。
葬儀が「人生の卒業式」ならば、鐘の音は出港するドラの音にも似て、故人があちらの世界へ旅立つのには、ふさわしいと思います。数年以内には、日本中の葬儀からクラクション音が消えている・・・・・わたしには、そんな予感がします。
なお、「禮鐘の儀」の動画を御覧になりたい方は、ブログ「禮鐘の儀」をどうぞ。


これからも「禮」を求めていきます



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年10月29日 佐久間庸和